ロシア軍「AKライフル作りすぎたのでしばらく買いません」と発表
旧ソ連が生んだ傑作軍用小銃「AK-47」は、ライセンス生産やデッドコピーを含めるとおそらく世界で最も大量に生産された工業製品ですが、この後継機種にあたる「AK-74」シリーズについて、あまりにも備蓄量が多くなりすぎたためしばらく購入を控えることをロシア軍が発表しました。
ロシア軍のニコライ・マカロフ幕僚長が発表したところによると購入を控える理由は「供給・備蓄量が需要量の数十倍ほどもあるため」。この需給ギャップを解消するため少なくとも2014年までは追加の購入を行わないことを決めたそうです。AKシリーズは構造が簡便で安く大量に作れることで知られていますが、この利点が裏目に出ることとなりました。
AKシリーズなど軍用銃火器を生産しているイズマッシュ社は2009年から資金難に陥っており、ロシア軍の決定は企業の存続に大きく影響することは間違いありません。
AKシリーズは様々なバリエーションを含め現在までに1億とも10億とも丁以上が生産された「負のベストセラー」。冷戦時代には資本主義陣営と戦う武装勢力に大量に供給されたことで、紛争地では必ず見かけるイメージのある銃でもあります。
今回購入が見送られることとなったAK-74は初代AK-47をより現代的に改修したモデル。各部を改良したほか小口径化を行い、軽量化・携行弾薬量を増加させるというアップデートが行われました。しかし先代AK-47、改修型のAKMがすでに行き渡っていたことや、AK-47・AKMとは違う弾薬を使うために補給が複雑になることもあって、AK-74はAK-47ほどには普及していません。
また、イズマッシュ社の前身である国営イジェフスク造兵廠からAKシリーズを送り出した銃器デザイナー界の重鎮、カラシニコフ氏にはまだ伝えられていないとのこと。氏に近い友人の話では、氏は現在91歳で健康上の問題を抱えており、このようなショッキングな決定には耐えられないだろうということです。
ソース:Russian Army Halts Kalashnikov Orders: Official – Defense News
朝日新聞出版
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