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かゆいところに手が届く?「タイムズプラス」のカーシェアリングで、自動車を借りてみた


普段は徒歩や自転車、バイクで移動していても大きな荷物があったりする時など、ごくごくたまに自動車を使いたいことがあります。しかし自動車は購入・維持にものすごくコストがかかり、ごくたまに使うにはもったいなさ過ぎます。そこで今回、機会があったので、最近よく見かける「カーシェアリング」で車を借りてみました。

カーシェアリングって?

カーシェアリング(Car sharing)とは、一般に登録を行った会員間で特定の自動車を共同使用するサービスないしはシステムのこと。レンタカーと類似するが、一般にレンタカーよりも短期間の利用を想定しており、ごく短時間だけ利用する利用者にとってはレンタカーよりも便利で安価になるように設定されていることが多い。

カーシェアリング – Wikipedia

要するに近所の駐車場に共用の車が置いてある、というイメージでしょうか。レンタカーのように車両のコンディションが細かくチェックされることは無い代わりに、柔軟な借り方が可能というイメージになると思います。

会員登録

当たり前ですがまず入会しないと使えません。書類を郵送して入会することもできますが、Webで情報記入→店舗で書類(免許証のコピーなど)を提出する「クイック入会」で入会。店舗についてから約10分でICカード式の会員証がもらえました。

登録に必要なのは:

必須:
・自動車免許証
・クレジットカード
・携帯電話キャリアのメールアドレス

場合による:
・住所を証明する書類
・(未成年の場合)親権者の同意書

入会費用は¥1500ですが各地で開催されている入会説明会で登録すると入会費が無料になるそうです。

月額の基本料金は1000円ですが1000円分の無料レンタル(30分~1時間15分)が含まれるので実質無料と考えてもいいのではないでしょうか。

予約

さて、会員登録さえ済めば即使用可能。予約・キャンセル・使用期間の延長などほぼすべての手続きをWebで行なえます。写真はモバイル向けサイト。iPodのSafariブラウザからでも利用できました。

基本は車の配置されている「ステーション」を基準にして検索することになります。現在位置・自宅の住所・最寄り駅に近いステーションを探したり、登録しておいたステーションや以前の履歴など色々なパターンで検索することが可能。PC向け予約サイトと連動しているので、事前に近所や立ち回り先のステーションをまとめて登録しておくと便利かもしれないな、と思いました。

ただし「今すぐ!30分以内に車を使いたい!」というようなニーズに対してはサイトの使い勝手は悪いかも。料金プランを決めないとそのステーションの空き状況が表示されないのでステーションを探す→プランを決める→スケジュール見ると全滅、というめんどくさい状況に陥ることはあります。実際、目星をつけていた近所のステーションでは狙ったかのように全滅でした。

そういう緊急の場合は「空き状況から探す」を使うといいでしょう。

地区を選択。

条件に合致するステーションを探すことができます。無事隣の駅の前にあるステーションに空き車両を見つけることができました。

サイト上で「使用開始日時」「料金プラン」「使用終了日時」を入力して予約を完了させると、予想支払い金額を記載した受付メールがとどきます。

10分前通知メール。予約時間の10分前から使用できます。普通のレンタカーの営業所は閉まっているような深夜・早朝などでも「即時利用」とすると予約した3分後に使用開始することが可能です。このあたりはものすごく便利です。

料金プラン

基本的にはこの通り。

ショート:時間貸し(200円or400円/15分刻み。)

パック(数時間のセット料金):基本料金+走行距離貸し(\15/km)

※ガソリン代・水洗い洗車代・補償制度含む
※6時間パックは基本料金のみで利用が可能

詳細はこちら:利用料金 | カーシェアリングのタイムズプラス

となっています。ショートの料金は車種によって変わります。入会の際に説明してくれた社員さん曰く「3時間予約して2時間しか乗らなかった場合は2時間分の料金だけ頂きます。延滞料金は高額で後のお客さんに迷惑にもなるので使用時間は長めに申告して欲しい」ということでした。

パックではどの車種も同じ料金です(電動のMiEVなど例外もある)。時間帯で基本料金が変わり深夜・早朝はかなりお得です。また6時間パックだけは走行距離による従量課金がない相当お得なプランとなっています。

ガソリン代無料は結構インパクトあるように思いました。市街地での平均速度を時速30km、燃費をリッターあたり10km、ガソリン1リットルを130円とした場合

ショートで1時間走りっぱなしの場合
基本料金 400×4=1600円
=実際支払う金額 1600円

そのうちガソリン代 130×3リットル=490円
=車両そのもののレンタル代金 1110円

12時間パックで6時間走り、6時間滞在した場合
基本料金 6500円
走行距離 180km×15=2700円
=実際支払う金額 9200円

そのうちガソリン代 130×18リットル=2340円
=車両そのもののレンタル代金 6860円

レンタカーと同じ時間だけ借りることを考えると割高なのですが、ガソリン代を考慮するとまぁこんなもんかな……という感じになります。レンタカーのように返却する前に満タンにしなくていいのは楽ですね。

車両の受け取り~返却

というわけで、指定したステーションに向かいます。ステーションはタイムズの駐車場を兼ねているので基本的に無人です。

今回借りた車両。隣の車両を借りた人は自転車でステーションまで来ていました。使い方としてはアリなのではないでしょうか。

後ろの方にカードリーダーがあるので……。

会員証をかざすとドアロックがはずれます。

エンジンキーはグローブボックスの中。

「返却」から「貸出」に回してエンジンキーを抜くと利用開始です。

運転席にはナビとETCあり。給油用のクレジットカードはバイザー内でした。オーディオについては詳細不明ですが借りた車両にはCDプレイヤーがついてました。

車を出したら標識を置いておく決まり。

後は制限時間内で好きなように使いましょう。

元の駐車場に戻し、エンジンキーを「返却」に切り替え、そしてカードでドアロックをすると返却メールが届きます。

気になったこと・考えたこと

乗り捨て

レンタカーでは受け取りと返却を異なる店舗で行なえる「乗り捨て」サービスがありますがタイムズプラスでは不可能です。移動だけならタクシーを使った方が安いので大きな問題ではありませんが。

Google検索の結果

カーシェアリング – Google 検索」で掲載されるページがなんとなく広告っぽいものばかりで、普通のblogによるレビューが少ないように思いました。色々見比べたい人は不満かも。

車両のコンディションについて

今回、短期間で違う車両を2台借りましたが特に内装が汚れているというような印象は受けませんでした。車両の走行距離も2000km台で故障・不具合も見受けられませんでした。サービス開始からまだそんなに時間がたっていないからというのもありますが、よほど神経質な人でなければ車両のコンディションで問題が発生することはなさそうです

ただ、最悪の可能性として「乗ってみたらタバコの匂いが充満し、シートはこぼしたジュースとペットの毛でボロボロだった」ということは考えられます。汚損のペナルティは結構厳しく設定されていますが、それでもルール違反をする人は必ずいるものです。クレーム受付の窓口はあるものの、基本的には無人サービスなので「すぐ代車用意しろ!」は不可能です。車両のメンテナンスについては営業所に借りに行くレンタカーのほうが確実なので、使い分けが必要だと思いました。

サービスの継続性

都市の隙間にある土地を駐車場に転用するのがタイムズの業態なわけですが、そうして作られた駐車場はその土地に建設計画のメドが立つとなくなってしまいます。未来永劫使えるつもりでいろいろ計画するとめんどくさいことになりそうです。

まとめ

カーシェアリング最大の利点は「車を利用する頻度が少ない人が、ごくごく低いコストで自動車を運用できる」という点にあります。都心で駐車場を借りるだけで3万円、などということを考えると「月1000円+乗った分」というのはかなり魅力的です。

さらに無人運用なので、時間を問わず手続き・使用開始することができるのもよいところ。至るところにステーションがあるのでわざわざ遠くの営業所にいく必要がないというのもポイントです。

車種にこだわりがあったり毎日通勤で乗らないといけないという人には役にたたないサービスですが、荷物の運搬や送迎でたまに使ったりするにはとても便利です。最低利用時間が短いので拠点間は電車で移動して、そこから車で観光する……といった柔軟な使い方もできます。また深夜のパック料金を使えば終電が気にならないので遊びに行く際にもいいでしょう。

交通手段として自転車やバイクに加えて「自動車」という選択肢を月1000円で足せるというのは大きなメリットだと思いました。

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