「スナッチャー」「メタルギア」シリーズの生みの親、小島秀夫氏がネットで当時の設定資料を公開
80年代後半のファミコン黄金時代のゲームは、非力なマシンの能力をカバーするため奇抜なアイディアが盛り込まれ、斬新な面白さを提供していました。そんな当時の空気を思わせる資料を「メタルギア」シリーズの生みの親であるゲームデザイナーの小島秀夫氏がネット上で公開しています。
小島氏の代表作「メタルギア」がリリースされた1987年や、今なお続編を待ち望む声のある「スナッチャー」がリリースされた1988年は、ゲームの中身の成熟とともにハードウェアの限界が見え始めた時期でもありました。
1メガバイトに満たない小容量のROMチップにどうやって膨大なデータを詰め込むか、8bitのCPUでたくさんのキャラクターを表示させるにはどうしたらいいのか……「メタルギア」はそんな制約から「戦闘シーンを作ることが困難なら、戦闘シーンを回避すること自体をゲームにすればいい」という逆転の発想で作られたゲームです。
棚の整理をしていたら、「METAL GEAR (1987)」の… on Twitpic
頻出する単語を符号化し少しでもデータ量を削る作業。例えば「BIG□BOSS」などのキャラクター名はよく出てくるので「A1」という符号に置き換えると8文字を2文字に圧縮することができます。
MSX2版「METAL GEAR(1987)」の海外版無線機データ… on Twitpic
MSX2版「METAL GEAR2 SOLID SNAKE(1990)」のプロット用… on Twitpic
そしてメタルギアの翌年にリリースされたのが、アドベンチャーゲーム「スナッチャー」。1988年にリリースされたPC-88版/MSX版は3章構成の物語のうち2章までしか収録されず、3章目はロールプレイングゲーム「SDスナッチャー」として後年発売。その後も様々なハードに移植されその度に完成度を高めていったという面白い歴史を持つ作品でもあります。
金庫の中の「SNATCHER(1988年)」の開発ファイル… on Twitpic
細菌兵器漏出によるバイオハザードにより人口が激減した近未来、人間に変装して社会に紛れ込む「スナッチャー」と呼ばれる謎のバイオロイドを捜索・殲滅する対スナッチャー特殊警察「JUNKER」の活躍を描いた作品。「冷戦」や「強化人間」など最近の作品にも度々顔を出すモチーフはこの頃からすでに見られました。
PC-88/MSX2版「SNATCHER(1988年)」の最初の企画書。�… on Twitpic
今でこそ様々なスクリプトエンジンがありますが、これを「自分で書いた」とさらっと語る小島氏。
これは「SNATCHER」用に僕が書いた当時の専用… on Twitpic
「SDスナッチャー」への萌芽がなんとなく伺える一枚。「SD~」は通常の見下ろし型ロールプレイングゲームですが、戦闘画面は銃の照準を動かして攻撃部位を選択、その結果によって敵のステータス減少や行動パターンが変化するという、3Dシューティングの雰囲気をもつものでした。
実はPC-88/MSX2版「SNATCHER(1988年)」にはなんと「3… on Twitpic
ソース:小島秀夫 (Kojima_Hideo) on Twitter
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