電動バイク、混合レースでガソリン車に勝利し表彰台入り
「電動バイクは非力なコミューター」という時代は終わりました。Ducati 1198やKTM RC8といった現代最速級のバイクに混じり266kg・194馬力の電動バイクがレースに出場、2位を獲得し表彰台入りしました。
電動バイクを駆るチームSWIGZとライダーのチップ・イェーツはオートクラブ・スピードウェイで最速ラップ1:39をマーク。大排気量ツインクラスであるWERA Heavyweight Twins Superstockクラスで2位、同Superbikeクラスで3位に食い込む大健闘を見せました。
トータルのタイムはともかく、最速ラップではトップと4秒差。同じサーキットで行われた2010年AMAスーパーバイク予選トップのアーロン・イェーツが出した1:23.982と比べて約15秒差と、バイクそのものの差は段々なくなりつつあるように感じます。
チームSWIGZ.comの電動バイク。リアに180ポンド(約82kg)ものバッテリーを搭載しており重量増とトラクションコントロールに悩まされたそうです。
以前公開されたプロトタイプの写真。あらゆる隙間にバッテリーが搭載されていました。このためKERS(回生ブレーキ)を使って減速時にエネルギーを回収、バッテリーを減らす努力が行われました。
ライダーのチップ・イェーツ。AMAスーパーバイク選手権にも出場するプロレーサーにして4輪でラリーに出場した経験もあるベテラン選手。モーター駆動バイクのセオリー通り、クラッチやシフトペダルはありません。
KERSのスイッチ。搭載バッテリーを小さくせざるを得ない電動バイクには非常に重要になってきます。これを採用することで1周約3.7kmのコースを6周するだけの電力を確保することが可能になりました。
このKERS、後輪に仕掛けてあるのかと思ったのですが違う模様です。フロントサスとは別にハブから伸びている謎のシャフトがどうもそうらしい。
Christini All Wheel Drive Motorcycles
これらの写真はChristini All Wheel Drive Motorcycles社のページで紹介されているバイク用ニ輪駆動システム。このシステムを使って前輪の駆動力を回生しているものと考えられます。
エンジンからの出力を、三叉の中のチェーンとギアで受け、二本のシャフトで前輪に伝える仕組み。華奢に見えますが、同社のページによるとオフロード車にも使われているようで耐久性に問題はないように思います。
レースの動画はこちらから。ヒュイーン!というモーター音がたまりません。
YouTube – HISTORY MADE! SWIGZ.COM Electric Superbike – WERA California Speedway
TTxGPのレギュレーションは全備重量250kgなので、もう少し軽量化する必要がありますが出場すればかなりの順位に食い込めそう。そろそろ日本のメーカーも参入しないと、来る電動バイク時代に決定的に乗り遅れることになりそうです。
ソース:Gas vs. Electric: Chip Yates Takes Podium Finishes in WERA Heavyweight Twins at Fontana [UPDATED]
関連記事
電動バイクレースTTxGP向けの新型バイク「Mission R」がMission Oneから登場 – DNA
アストン・マーチンのV12エンジンで425馬力・時速400kmでかっとぶチョッパーバイク「V12 Aston Homer」 – DNA
世界で最大、2千ccの単気筒エンジンを持つバイク「NSU BISON 2000」 – DNA
世界のオークションで最も高く売れた歴史的なバイクトップ20 – DNA
流線型のグラマラスなカウルがかっこいいカスタムバイク「1930 Art Deco Henderson」 – DNA
映画「トロン:レガシー」の超近未来バイク「Light Cycle」をほぼ完璧に再現、公道も走ることが出来るバイク – DNA
100年以上前に製造されていたビンテージ・バイクいろいろ – DNA
時速250kmでクラッシュすると、バイクはここまでぐちゃぐちゃになることが分かる画像 – DNA
バレンティーノ・ロッシがマン島TTレースで使用したバイク「ヤマハ・YZF-R1」がeBayに出品される – DNA
12気筒・4万2千ccのエンジンを搭載し時速260kmで走るベントレーの動画 – DNA
数々の特殊装備で路上をサバイブする究極の自転車「B.O.N.D.バイク」 – DNA