ロボットサイエンスがまた1歩進化、今度は「タオルを折れるロボット」が誕生
そろそろ日本のサラリーマン男子の立場が危うくなってきたようです。これまで困難とされていた「タオルをたたむ」ロボが完成しました。もはや家族の洗濯物をたまにたたむくらいでは、ロボットに置き換えられてしまう可能性があります。戦慄の動画は続きをどうぞ。
なんで「タオルを折る」のがそんなに難しいかというと、タオルのような柔らかいものは外見がすぐに変わってしまうため。金属板のような形がはっきりしていて変化しないものは扱いやすいのですが、タオルの場合はまず「端はどこなのか」とか「別のタオルとの境目はどこか」などを測定しなければならず、これまでは難しいとされてきました。
そこでカリフォルニア大学バークレー校の研究者は、布地のしわに注目。カメラでこれを識別することでタオルを判別させ、1枚25分という長い時間がかかりながらもタオルをたたませるのに成功しました。下の画像は50倍速でタオルをたたむ様子を撮影したもの。端を探す仕草がとても人間くさく、イヤな感じです。
YouTube – (50X) Autonomously folding a pile of 5 previously-unseen towels
ちなみに、自分でタオルの形を考えるだけでなくTwitterで「この点とこの点はどっちが上に重なってる?」などとやりかたを教えてもらうという脅威の機能も搭載しているそうです。最後には完成品の画像をTwitPicにあげるという徹底っぷり。ロボットのくせに人付き合いもよさそうです。
YouTube – Towel Folding: Social Network Edition
そもそもロボットに何か仕事をさせるのは、並大抵のことではありません。ロボットは自分で考えて行動することができないからです。ネジを締める、という動作1つとっても、ネジをどれくらいの強さと角度でつかむのか、ドライバーをどの角度であてればいいのか、締め付ける力はどれくらいか……などなどありとあらゆる要素を人間がプログラミングする必要があります。
その上、まったく応用が利きません。使うドライバーやネジ、取り付ける部品などに変更があればまたプログラミングをやり直して、パラメーターを再設定しなければなりません。この面倒さのため、小規模生産の工場や家庭内作業など、簡単だけれども様々な動作を覚えなければならないような場所では使いにくいのです。
そこで、PR2には人間に実際に動きを教えてもらいながら学習するという機能が搭載されています。以下は箱のひっくり返し方やビリヤードの玉の突き方を教えてもらうPR2の動画。人間がPR2の手をとって何回か一緒に動いてやるとそこから考えてやりかたを習得するという、これまた優等生な機能です。
頭部のカメラで台との距離やボールの位置を検出し、外部コンピューターで突く角度をシミュレーションするのでかなり困難なショットも決められます。学習には月曜日の昼から金曜の晩までかかったそうです。
YouTube – PR2 Robot Plays Pool
研究室のドアを開け、コンセントにプラグをさして勝手に充電するPR2。これもドアの形を自分で判別したりなど、地味ながら結構高度なことをやっています。
YouTube – Milestone 2 Start to Finish
このように、メカそのものだけでなく作業の自動化の壁になる「動きのプログラミング」についての研究も、実際の生活シーンにロボットを投入するには重要になってきます。
洗濯物をたたみ、ビリヤードもうまい。分からないことはTwitterで聞いて自分の充電は自分でやる……このロボット、そろそろ子どもの1つや2つは産みそうです。怖いですね。
ソース:This Robot Folds Towels! – Flexible Object Barrier Broken | LiveScience
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