歴史の闇に消えていってしまいそうな自動車・バイクのエンジン10選
自動車やバイクのエンジンは、時にそれが搭載されている車体よりもドラマを感じさせるものです。意欲的な設計のものや飛びぬけた性能のもの、時代を象徴するようなシンボリックなものはそれこそ車体よりも有名になることがあります。一方、性能が今ひとつだったり、他の有名メーカーの影に隠れてしまったり、ルールで規制されたりと様々な理由で人々の記憶から消えてしまいそうなものがあるのも事実。ここにあるのはそんなかわいそうな10台のエンジンです。
フォルクスワーゲン 狭角V型5気筒エンジン
パサート、ゴルフ、ボーラなど数々の車種に搭載されながら、わずか150HPという性能が物足りないせいかいまいち影の薄いエンジン。Vというよりもほぼ直列エンジンに近い構成となっています。
ホンダ V型5気筒エンジン
ホンダのMotoGPマシン、RC211Vに搭載されたエンジン。2004年には237馬力までチューンアップされ幾多の勝利をもたらしたモンスターエンジンですが、MotoGPのルール改定による排気量規制によりその姿を消すことになりました。
BMW OHV V8
6500回転で120~160馬力の2.6L 90度V8エンジンはBMW・502や503など戦後の大型高級車ラインアップに搭載されていましたが、自動車ブームを見込んだ小・中型クラスを中核とする「ノイエ・クラッセ」戦略の施行により消え去りました。その後、BMWのV8エンジンの系譜はBMW 740iまで途絶えることになります。
シトロエン M35
1969年に生産が開始されたときは、一部の顧客にテスト用として提供されたのみで一般販売はされませんでした。995cc49馬力のこのエンジンは燃費の悪さや環境性能の悪さから結局あまり売れることもなく消えていきます。
スパイカー 直列6気筒
1903年に世界初の直列6気筒エンジンがオランダのスパイカー60に搭載され世に出ましたが、直列6気筒といえばBMWのほうが知名度が高く、やや存在感に欠けてしまいます。
BRM H16
水平8気筒エンジンを縦に2つ重ね、クランク同士をギアで繋いだF1用エンジンですが機構が複雑で低パワーという失敗作。1966年のアメリカGPでロータス43に搭載され一度優勝しただけに終わり、二度と使われることはありませんでした。
フィアット A.12
もともとは航空機用のエンジンだった直列6気筒A.12 Bisエンジン。320馬力まで引き上げられ、最終的には同エンジンを搭載したフィアット・SB4が1923年に最高速度記録を作るに至ります。幻というよりも伝説のエンジンという感じですね。
マセラッティ・ギブリ カップ ツインターボV6
リッターあたり165馬力という、フェラリーF40やジャガーXJをも超えるスペックながら、これを搭載していたマセラッティ・ギブリII自体がややマイナーな車なので幻に。
スバル/コローニ F1 水平12気筒エンジン
80年代後半にモトリーニ・モデルニが開発したものをモディファイしたF1用水平12気筒エンジン。性能面での不満から、ミナルディのシャーシに搭載されるという当初の予定は達成されませんでした。そこでスバルはコローニを買収し自らレースに打ってでましたが、3.5Lのこのエンジンは500馬力を越えることはなく、イギリスGPをもってはF1から撤退したため幻となりました。
マツダ 20b 3ロータリーエンジン
1990-1995製のマツダ・ユーノスコスモに搭載された20b-REWは国内初の量産型ツインターボエンジンでしたが、2ロータリーの13b-REWを搭載したモデルのほうがより多く販売されたため希少種気味。13b-REWはその後マイナーチェンジを経てマツダ・RX-7にも搭載られました。
ソース:Ten Engines Lost To History
トップ画像:Flickr: Timitrius’ Photostream
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