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危険度が予想できないアポロ計画の宇宙飛行士達が作ったユニークな自主生命保険「Insurance Cover」


月に人間を送り込んだアメリカのアポロ計画は、いろいろな意味で人類が経験したことのないイベントでした。なので「どれくらい危険なことなのか」を予想することができず、生命保険の掛け金が非常に高額なものとなってしまいました。そこで、宇宙飛行士達は自分たちで、ちょっとユニークな「生命保険」を作ったのです。

こちらがその「生命保険」。中の手紙も重要なのですが、この封筒そのものが「保険」になっています。

アポロ計画は「非常に危険」と考えられ、掛け金の額は現在のレートで数千万円と算出されました。政府機関であるNASAは議会によってこの掛け金を支払うことを禁じられており、飛行士達もあくまで公務員としての収入しかないため、このような高額の掛け金を支払うことができませんでした。

実際には地元の企業が「スポンサー」としてこの掛け金を負担し、飛行士達は「無保険」状態ではありませんでしたが、契約内容に関して飛行士達は口出しすることができなかったため、飛行士達は残された家族が自由にアクセスできる「保険」を必要としていました。

そこで飛行士達が思いついたのがさきほどの封筒。「自分たちのサイン入りグッズを残せば、プレミアがついて高く売れるのではないか」ということで、ミッションのロゴ、サイン、打ち上げ日/月面着陸日の消印が入った封筒、すなわち「Insurance Cover(保険封筒)」を作り、家族のもとに送ることを決めたのです。

飛行士達は封筒に送り先の住所とサインを書き、他の飛行士など信頼できる相手に預けます。預けられた方は打ち上げ日や月面着陸日に郵便局に赴き、その日の消印を押してもらい、飛行士の家族に向かってその封筒を送ります。こうすれば事故が起きても起きなくても、それなりの値段でコレクターに売れる封筒が家族のもとに残るという仕組み。

封筒の制作にはジョンソン宇宙センターの地元、ヒューストンの切手収集クラブ「Manned Spacecraft Center Stamp Club」が全面協力。このMSCSCバージョンが最も有名なInsurance Coverですが、他にも当時のNASA広報であったアル・ビショップが制作したバージョンが少数存在するとのこと。11号から16号までのミッションごとに何種類か作られ、訓練やテストの合間、あるいは飛行前の隔離期間に飛行士達がサインを入れました。

ちなみにInsurance Coverは、その封筒がInsurance Coverとして作られたものだということを証明する手紙が入っていて、裏書きがされていて、かつ送られた人から直接手に入れたものなど、いくつかの条件を満たしてはじめて「ホンモノ」とされるそう。一番人気は最初のアポロ11号、そして重大事故で有名なアポロ13号のものですが、サインされなかった余り封筒などにも価値があって、そちらを集めているコレクターもいるとか。

政府機関であるNASAが生命保険を負担できなかったり、出張旅費を細かく精算した書類を求めてきたりと、月面着陸では色々とユニークなことが起こりました。人類で最も機転がきく宇宙飛行士達だからこそ、ユニークな問題にユニークな解答を用意することができたのかもしれませんね。

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Space flown collectible artifacts – Apollo Insurance Covers

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