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「人工知能の父」マーヴィン・ミンスキー博士が88歳で死去


電子計算機が自分で思考する「人工知能」を作り出すには、人間の思考や「心」のメカニズムを解明し、計算可能なものにしなければなりません。その試みにおいて最大の功労者と言える計算機学・認知科学研究者、マービン・ミンスキー博士が2016年1月25日、脳出血で死去しました。88歳でした。

ミンスキー博士は1927年ニューヨーク生まれ、戦中、海軍に務めた後、ハーバード大学、プリンストン大学といった名門を経て、MITコンピュータ科学・人工知能研究所の前身となるプロジェクトを立ち上げました。

彼の研究以前、人格とか思考と呼ばれるものは何か1個の大きなメカニズムであると考えられていました。しかし彼は心とは「一つひとつは心を持たない小さなエージェントたちが集まってできた社会」とした「心の社会」理論を唱え、人工知能研究を大きく前進させました。理論は1986年、同名の一般向け書籍として出版され、人工知能研究の定番の入門書となっています。

「心の社会」についてのマサチューセッツ工科大学での講義は公開されており、誰でも無料で閲覧することができます。

The Society of Mind | Electrical Engineering and Computer Science | MIT OpenCourseWare

いわゆる「天才」タイプで、人工知能だけでなくそれに関連する医学や計算機科学と言った分野でも大きな業績を残しました。学問の枠を超えた部分では「2001年宇宙の旅」映画化の際、狂ったコンピューター「HAL9000」の描写に関してキューブリック監督が助言を求めにいったことでも知られています。

彼の天才っぷりが分かるTEDでのスピーチの動画。

ご冥福をお祈りいたします。

ソース:Marvin Minsky, Pioneer in Artificial Intelligence, Dies at 88 – The New York Times

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