アートとデザイン

一発でアジアを表現できる「あのメロディー」はどこからやってきたのか


一昔前、ハリウッド映画ではカンフーな感じの中国人が出てくると必ずこのフレーズがかかる、という「あのメロディー」がありました。聞けば一発で分かる「あのメロディー」はいったいどこからやってきたのでしょうか。


「あのメロディー」には名前が特についていないのですが、この曲を10秒ほど聞くと分かります。中国っぽい場面には必ず出てくる「あのメロディー」です。
小白龍(シャオパイロン)/飯島真理 – YouTube

この「あのメロディー」は相当昔から使われているモチーフなのですが、実のところ出自がはっきりしません。最も遡れるのが19世紀後半、1847年に作曲されたオペレッタ「アラジンの中国大スペクタクルあるいは魔法のランプ(The Grand Chinese Spectacle of Aladdin or The Wonderful Lamp)」に現れるモチーフということです。

この頃には、ゴールドラッシュによってアメリカには膨大な量の中華系移民が暮らしていました。このことからポップカルチャーにおいて、はっきりと「あっアジアっぽい」と分かるフレーズが必要だったのかとも考えられます。

1930年ごろにはもうかなりはっきりとした形になっています。こちらも冒頭40秒あたりに現れます。
Aesop’s Fables: “Laundry Blues” (1930) Van Beuren – YouTube

「ベティ・ブープ」のこちらの作品にも4:10くらいから登場します。
Betty Boop – Making Stars – YouTube

その後、近年での「活躍」はご存知の通り。中国だけでなく、日本を含む東南アジアを表現するときにはほぼ必ず現れるフレーズとなりました。
The Vapors – Turning Japanese – YouTube

ちなみにこれらの動画に現れるフレーズには微妙な揺れというかバリエーションがあります。これらに法則性はあるのでしょうか?

こちらが「標準型」

このメロディーについて専門に調べているサイト「The Musical Cliché Figure Signifying The Far East: Whence, Wherefore, Whither?」によると、いくつかの条件が揃えばなんでもこのメロディーに聞こえるようです。

まず、このリズムパターンに乗っていること。最初の4音は同じ音を使います。

そして次にペンタトニック音階の音を使っていること。要するにピアノの黒鍵だけを使えばOKです。ペンタトニック音階は中国音楽で使われる音階とほぼ同じなので、これを使うだけで中国っぽくなります。

ソース:The Musical Cliché Figure Signifying The Far East: Whence, Wherefore, Whither?

How The ‘Kung Fu Fighting’ Melody Came To Represent Asia : Code Switch : NPR

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