ネット・PC

GoogleがW杯報道で「明るい方のヘッドライン」を選んだ理由


GoogleはサッカーW杯に関するトレンドをまとめた特設ページを公開していますが、その中には「惨敗」のようなネガティブなニュースはありません。より多くのPVを集めなければいけないはずのニュースページにおいて、Googleはなぜこれまでのメディアのような戦略をとらなかったのでしょうか。

今回のサッカーW杯に限ったことではありませんが、新聞・TVニュースの見出しというのは「批判」のトーンで書かれる傾向があります。これは日本だけでなく世界中どこでもそうです。先日ドイツに対して1-7で敗北したブラジルでも同じことが起こりました

「汚職」「業績不振」「法律違反」など、いわゆる「失敗」を責める意地悪な見出しのニュースのほうが読者により強く訴求するというのがメディアの常識というか経験則です。

しかしGoogleは今回のW杯において逆のアプローチをとりました。今現在最も興味を持たれているコンテンツを膨大な検索結果から類推し、それに最適化した記事を作ってTwitterで流したのです。その結果は日本語版でも一覧を見ることができますが……

・「絶好調で決勝へ」(ドイツ・ブラジル戦)
・「祝日は勝利で祝おう」(オランダ・アルゼンチン戦)
・「スコラーリ監督、次の手は?」(ブラジル・コロンビア戦)

といった、批判的なトーンの少ない見出しとなりました。

「記録ずくめのドイツ代表」と題し、ミロスラフ・クローゼ選手のW杯通算得点記録更新を報じるGoogleのTwitterアカウント。ブ

正直なところ、これまでのメディアのものと比べるとこれらは「ねむたい」見出しに見えます。しかしGoogleはより多くのPVとシェアを得るためにこの戦略を採用し、実際に成功したそうです。

成功の秘訣は「共有のされやすさ」にありました。今回の企画のプロデューサー、サム・クロエジーによれば「『傷口に塩を塗らない』ことに気を使った」とのこと。

SNSでは投稿者の喜びがその人のニュースとして投稿される傾向がありますが、そうした投稿内容と失敗への批判的な見出しというのはあまり馴染むものではなく、扇情的なものや過激な見出しは選ばれにくいのです。したがって「ブラジル敗北」という見出しはソーシャルネットワーク上で必ずしも注目を集めるわけではないという結論に至ったようです。

もちろん事件は事件として報道し、正統な批判を加える必要があります。しかし、旧来の戦略に乗って根拠の無い悪口をいうメディアについては「そういうのはちょっと言い過ぎだよね」という会話とともに、信用・価値が下落しつつあるのはご存知の通り。

読者-メディアのつながりだけではなく読者-読者という関係がある現代のインターネットにおいては、人は自分を表すのにふさわしい見出しのニュースを選ぶものです。いわゆる「煽り」を選ぶ人は、これからは減少していくだろうということが今回のGoogleの取り組みからは見て取れます。

ソース:In Google Newsroom, Brazil Defeat Is Not A Headline : All Tech Considered : NPR

関連記事

「Googleで最も不愉快な仕事」は正社員ではなく契約社員が行っている - DNA

データの鬼、Googleが解析した「よい上司を製造する8つの条件」 - DNA

Google、データ解析の結果「面接の難問奇問パズルはムダ」と結論 - DNA

Googleを辞める人たち - DNA

Googleにイスラム教、キリスト教、ユダヤ教、仏教の信者の評判を聞いてみた - DNA

旧型営業マンがGoogleでのインターンに挑むコメディ映画「The Internship」予告編 - DNA

Googleで働くユニークな肩書きの人々11選 - DNA

この記事をブックマーク/共有する


前後の記事

DNAをこれからもよろしくお願いします!

Facebook上のコメント一覧

Twitter上のコメント一覧