ネット・PC

元カルト集団の囚人が獄中から自分のWikipediaページの編集を依頼


表現の自由が誰にどこまで認められるのかというのはいつも衝突が起こる問題ですが、今回起こったのはネット時代ならではの議論。有罪判決を受け刑務所にいる人間が、ネットの百科事典の自分の記事の内容に対して編集を依頼することはアリなのかナシなのか、ちょっとした騒動があったようです。

英語版Wikipediaの編集チームの一員に、獄中から手紙を送ってきたのはチャールズ・ワトソンなる人物。彼はカルト集団「マンソン・ファミリー」の中心メンバーとして、他のメンバーとともに多数を殺害したことで終身刑を宣告されました。

手紙はWikipediaに掲載されている2016年2月16日版の本人のページを印刷したものに多数の修正が加えられた5ページのもの。罪状や善悪などセンシティブな部分に関する訂正はありませんが「『マッド・チャーリー』というあだ名ではなかった」など自身の経歴に関する修正や、資料の通し番号のミスなどを指摘しています。

「著書名の『Will You Die For Me』はイタリックにしてください」けっこう細かい。

自身は2013年ごろのページが、自伝や著書名がきちんと入っていたために気に入っていたようです。「この記述を新しい版に載せられないか」とのコメント入り。

日本でも97年に発生した神戸連続児童殺傷事件の犯人が、出所後自伝の出版や自身のWebページを開設し大きな議論を巻き起こしたことがありました。

こうした情報の公開は誰にどこまで認められるのか、どういった内容ならよいのか、悪いのか……誰もが情報を公開できる時代にはどこで線を引くべきかは難しい問題です。

ソース:» Everyone’s a Critic: Manson Family Murderer Tex Watson Doesn’t Like His Wikipedia Entry The Wikipedian

Should prison inmates be permitted to edit Wikipedia?

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