20世紀初頭の大富豪が22年に渡り世界中に写真家を派遣し撮影した壮大なカラー写真プロジェクト「The Archives of the Planet」

2015.11.19 10:00 by wakaba

今から遡ること約100年、フランスの大富豪が私財を投じて始めたのが地球を記録するという壮大なプロジェクト「The Archives of the Planet」。かつて世界中に存在していた独特な伝統文化や風景など、現在では失われてしまった過去のエキゾチックな世界が記録されています。

写真プロジェクト「The Archives of the Planet」は、20世紀初頭にフランスの銀行家で大富豪でもあったアルベール・カーン（Albert Kahn）氏が、1909年〜1931年の22年間に私財を投じて世界中の50カ国以上へ写真家を派遣して撮影したもの。最初期のカラー写真技法「オートクローム」で撮影された約7万2000枚のカラー写真や18万3000メートル（100時間）にも及ぶ映像が残されています。

ヨーロッパ

1. ボスニア

2. ブルガリア

3. クロアチア

4. イングランド
参照：1876年に撮影された、当時のロンドンの街や人々の様子がよくわかる27枚のセピア色の写真

5. フランス

6. ドイツ

7. ギリシャ

8. オランダ

9. アイルランド

10. イタリア

11. マケドニア

12. モンテネグロ

13. ノルウェー
参照：100年以上昔と今のノルウェーを全く同じ場所の景色で比べた写真プロジェクト「TilbakeBlikk」

14. セルビア

15. スペイン

16. スウェーデン

17. スイス

中東

18. イラン

19. イラク

20. レバノン

21. パレスチナ

22. シリア

23. トルコ

アフリカ

24. ダホメ王国（現ベナン）
参照：サハラ砂漠以南の西アフリカに現存する独特な伝統衣装

25. ジプチ

26. エジプト
参照：世紀の瞬間が色鮮やかに蘇る「ツタンカーメン王墓の発掘」のカラー復元写真

27. モロッコ

28. アルジェリア
参照：100年以上前の北アフリカや中東のかなり貴重な女性写真

アメリカ

29. ブラジル

30. カナダ

31. アメリカ

アジア

32. カンボジア

33. 中国
参照：20世紀初頭、清朝末期の北京の様子を捉えた非常に貴重なカラー復元写真

34. インド

35. モンゴル

36. スリランカ

37. ベトナム

The Edwardians In Colour – 03 – Europe on the Brink (PART 1) – YouTube

実は写真プロジェクト「The Archives of the Planet」が始まるきっかけとなったのは日本。アルベール・カーン氏は、1909年に運転手兼写真家の Alfred Dutertre 氏と共に仕事で日本に訪れており、その際に日本のいろいろな場所や人を撮影し帰国しています。この時に撮影した日本写真から地球全体を写真で記録することを思いつき写真プロジェクト「The Archives of the Planet」が開始されています。

しかし、1929年の世界恐慌で経済状況が徐々に悪化してしまい、1931年に22年間続いたプロジェクトが遂に終了を迎えることになります。その後、さらに経済状況が悪くなり1936年には破産にまで追い込まれてしまいます。アルベール・カーン邸は現在、アルベール・カーン博物館として利用されており、「The Archives of the Planet」の写真や映像が公開されています。

こちらはアルベール・カーン氏がコレクションしていた日本の写真です。
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