科学と技術

パテックフィリップ創業175周年記念、世界で最も複雑な機構を持つ機械式腕時計「グランドマスター・チャイム 5175モデル」が登場


世界三大高級時計メーカに数えられるスイスの老舗時計メーカ「パテックフィリップ」の創業175周年記念として世界限定7個のみが製作された「グランドマスター・チャイム 5175モデル」。その製作工程の一部始終を撮影した映像が公開されています。

製造個数は7個なのですが、その内の一つはパテックフィリップ・ミュージアムに特別展示され一般公開される予定となっています。ちなみに気になる販売価格は約2億8000万円(250万スイスフラン)とのこと。凄すぎもうよくわかりません。

「グランドマスター・チャイム 5175モデル」は、パテックフィリップとしては初めて時計ケース両面に文字盤があり、自由にどちらかを上にして着用することが出来ます。

刻表示とチャイム機能の「前面文字盤」

日送り式永久カレンダー機能の「裏面文字盤」

サイド面

ムーブメント(表面)

ムーブメント(裏面)

ムーブメントを横からみるとこんな感じに

開発・製造・組立てには延べ10万時間が費やされ、その内1366個の部品から構成される最も重要な「ムーブメント(駆動装置)」の製造には全工程で費やした時間の半分を超える6万時間を要しています。また時計ケースには214個の部品が使用されています。

ムーブメントの主な仕様は以下の通り

・キャリバーGS AL 36-750 QIS FUS IRM
・手巻ムーブメント、
・20の複雑機能を搭載:3ゴングによる5種類のチャイム機構(グランドソヌリ、プティットソヌリ、ミニット・リピーター、チャイムによるアラーム、永久カレンダー・デイトリピーター)
・昼夜表示を含む第2タイムゾーン表示
・瞬時日送り式
・永久カレンダー(両面文字盤の日付表示、曜日表示、月表示、閏年サイクル)
・4桁の年表示
・24時間時・分表示サブダイヤル
・ムーンフェイズ
・チャイム・モード表示
・チャイム機構隔離(ON/OFF)表示
・アラームON/OFF表示
・リュウズの位置表示
・時回り輪列パワーリザーブ表示
・チャイム機構パワーリザーブ表示

「グランドマスター・チャイム 5175モデル」の開発段階から完成までの一部始終を撮影した映像です。ドイツの時計製作メーカ「ノモス・グラスヒュッテ」の機械式腕時計の組み立て工程の映像でも非常に繊細な製作工程が撮影されており、ヨーロッパの機械式腕時計に関わる職人さんの凄みを感じましたが、「パテックフィリップ」もこれまたすごいことになっています。
Patek Philippe 5175R Grandmaster Chime Watch – YouTube

※ 約10分程ある映像なので時間のある時にゆっくりと楽しんでください。

こちらの3本の動画では「グランドマスター・チャイム 5175モデル」の使い方を解説しています。

時計ケースの反転方法の解説動画「Turing the case」
Grandmaster Chime Ref. 5175 de PATEK PHILIPPE (giro de la caja) – YouTube

こんな感じで時計ケースを反転することが出来ます

裏面のカレンダーの解説動画「Calendar side」
Grandmaster Chime Ref. 5175 de PATEK PHILIPPE (esfera del calendario) – YouTube

表面の時刻表示とチャイム機能の解説動画「Tim-side daial」。前の2つの動画に比べてかなり複雑です……
Grandmaster Chime Ref. 5175 de PATEK PHILIPPE (esfera horaria) – YouTube

ソース:PATEK PHILIPPE SA – パテックフィリップ・グランドマスター・チャイム5175モデル

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