アートとデザイン

80年前に廃線となりそのまま放置されているパリ環状鉄道の廃墟写真シリーズ「By the silent line」


1852年から1934年までパリ中心部を走っていた全長32kmの環状鉄道「プティト・サンチュール」の現在も放置されたままになっている姿を撮影した写真シリーズ「By the silent line」です。現在、法律によって立ち入りが禁止されているため、路線は植物が繁茂している所も多く都会の中でひっそりと廃墟化が進んでいます。

パリ市内の中心部から放射状に伸びていた複数の鉄道会社のターミナル駅を結ぶことで、円滑な物流を促進する目的で建設された環状鉄道路線「プティト・サンチュール」。しかし、メトロ(地下鉄)の発達や産業の移行によって時代と共に徐々に衰退し1934年には廃線となってしまいます。環状鉄道路線が廃線となった1934年以降は貨物用として利用されていた路線もありましたが1990年代にはそれも無くなり、現在は一部が「RER C線」として利用されるのみとなっています。

大部分の路線は現在も放置されるがままになっていますが、一部の駅舎はレストランやカフェ等として、また一部の路線は公園として再利用されています。

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一部の路線は2007年から自然歩道として利用されています。同じようなコンセプトとしてニューヨークの高架貨物線跡を再利用した2009年に開園した公園「ハイライン」があります。
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18. 「プティト・サンチュール」の路線図

「プティト・サンチュール」の再利用については、貨物船やメトロ、トラム等、または緑道として生まれ変わる計画が持ち上がっています。その多くはまだ未定となっていますが、近い将来に消えてゆく運命は避けられないでしょう。

これらの写真はフランスの写真家 Pierre Folk 氏の作品です。

ソース:By the silent line | Pierre Folk

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