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流行の「タクシー配車アプリ」で呼んだ車が事故を起こしたら誰が責任をとるか?


最近、一大流行となりつつあるのがスマートフォンからタクシーを呼べる「配車アプリ」。自動車を持たない人が増えている顧客側ニーズと乗車率をあげたいタクシー会社側のニーズに合致し、国内でも様々なサービスがスタートしつつあります。しかし、公共交通を管理する行政や、事故の際の責任や保険の扱いなど、問題点も表出しつつあるようです。


「配車アプリ」は、基本的にはスマートフォンからタクシーを呼べるアプリ。呼び主の位置情報をGPSで読み取り、タクシーを呼び出します。海外ではかなり展開が進んでおり、国内でも「Uber」や「Hailo」が上陸しています。また、国内のタクシー事業者も独自に配車アプリを提供しているようです。
Hailo(ヘイロー)ブランドムービー – YouTube

多くのアプリでは呼び出しに応じたタクシーの位置が画面上に表示され、待ち時間の予想がつきます。決済も事前にクレジットカードを登録しておくと、キャッシュレスで乗車できます。タップで呼べるので周りが騒がしい夜のお店・飲食店でも使用が可能です。

問題はドライバーの所属が非常にあいまいになることです。Uberでは、Uberに雇われる形になる「Uber Black」と、請負契約になる「UberX」の2形態があります。後者はUberに役務を提供している間のみ保険でカバーされる、ということになっているのですが「役務の提供」というのが、アプリにログオンしている間なのか、それともUberの乗客を運んでいる間なのかが明確ではないのです。

通常ドライバーは、普通のタクシーとして営業しつつアプリにログオンして客待ちをし、お客の呼び出しがあれば距離や位置をチェックして迎車に向かうかどうかを判断します。この「ログオンしているがお客を乗せてはいない」状態は役務を提供していると言えるのかどうか。お客を待っているのだから働いているともいえるし、乗せていないのだから働いていないとも言えます。

2013年12月31日、カリフォルニア州サンフランシスコであるタクシードライバーが親子に衝突し死なせるという事故がありました。この時このドライバーは警察に対し「その時はUberで客待ちをしていた」と証言し、親子の遺族はUberの使用者責任を問う訴訟を起こしました。

カリフォルニア州では、先日こうした配車システムを扱う企業についての法整備を行い「Transportation Network Company (TNC)」というカテゴリを設定しました。そしてオンラインシステムで配車を行う事業者をそこに分類しています。Uberなどのアプリ提供者は、ドライバーに保険を提供することなどが義務付けられており、この規定では保険は「乗客を乗せている間の事故」をカバーすることになっています。

しかし実際のところ、ユーザーがアプリにログオンしてもドライバーが表示されない、というのでは話になりません。スクリーンに近くのドライバーがどっと表示された方が、優秀なサービスに見えるのは当然です。つまりアプリにログオンしているドライバーはそれだけでも企業に利益を与えており、これは役務を提供しているのではないか……と遺族の弁護士はコメントしているそうです。

非常に微妙な問題ではありますが、実際のシステムの運用をよく理解した法整備が必要となるでしょう。日本でこうした配車アプリが流行すれば乗車率も上がり、これはすなわち値下げや企業の業績向上にもつながります。行政側の慎重かつ素早い判断が求められることになるのではないでしょうか。

ソース:When an Uber driver kills someone, who is responsible? | The Verge

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