科学と技術

スクリーンの奥に裸眼擬似立体映像を生成するiPhoneアプリ「i3D」がすごい


いわゆる3D映像は左右の目に違う絵を見せることで立体感を作り出しています。これには特殊なメガネが必要だったり「横に回りこんで見る」ということが出来なかったりするのですが、この「i3D」なら裸眼でOK。平面のディスプレイの奥に空間が生まれたかのような錯覚を実現することができます。


原理はこの「Shakeygrams」と呼ばれる擬似立体画像。すこし左右にずらして撮影した写真をパラパラと交互に表示するとなんとなく立体的に見えますが、この画像を目の位置からどう見えるかを計算してリアルタイムで生成するわけです。
3D Shakeygrams by Mark Diamond

まず顔認識。

顔の場所とiPadの位置を計算して、左の方に行けば左の方を表示。

右の方に行けば右側面を見せるというわけ。

これだけ?と思うような仕組みですが動画を見ればその立体感に驚くこと間違いなし。左右の目に違う画像を見せる方式の3Dと違ってちらつきやぼやけが出ないのも特徴です。
YouTube – Head Tracking for iPad: Glasses-Free 3D Display

自分とスクリーンの位置関係を変化させないと立体感が得られないので、じっと座ってみる映画などには向いていないかな……という感じですが、家庭のテレビとKinectなどのモーションコントローラーを合わせてゲームに使うのはかなり面白そう。視野角が狭いと大変ですが、ディスプレイ側に特殊な装置が必要ないのがいいですね。

iTunesストアで無料アプリが提供されているので、興味のある人は試してみてはいかがでしょうか。カメラを使う都合上明るさや光の向きの条件が厳しいのと、ソフトウェアが最適化されていないせいか少しカクつきます。でもディスプレイの奥に空間があるかのような見え方はなかなかの新感覚ですよ。
i3D for iPhone 4, iPod touch (4th generation), iPad 2 Wi-Fi, and iPad 2 Wi-Fi + 3G on the iTunes App Store

このシステムの大元となったのはWiiリモコンを使って作られた擬似立体映像システム「Desktop VR」。これが紹介された2007年頃はまだ3Dが実験的な時代だったこともあり、「回り込んでのぞき込める」という機能は、まさにいきなり未来がやってきたという感じでした。
YouTube – Head Tracking for Desktop VR Displays using the WiiRemote

「Desktop VR」はメガネに装着したセンサーなどで見る人の位置を認識していましたが、その後、このようなWebカメラを用いたシステムが開発されました。
YouTube – Head Tracking using faceAPI & webcam only – no wiimote

似たようなシステムでは「Holotoy」という技術もあります。これは覗き込む位置を傾きセンサで検出するもの。本体を動かさないといけないので机に置いて3Dを楽しむわけにはいきませんが、ゲームなんかにはこちらの方式のほうが向いているような感じもします。
YouTube – HoloToy hologram for iPhone, iPad and iPod touch – update #5 CatBot Jump Alot

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